EXHIBITIONS

描かれた水神展

2020.10.03 - 11.15

齊藤鷗舟 鯉 個人蔵

小川芋銭 草汁翁作海坊主 秋田県立近代美術館蔵

 栃木県に伝わる祭礼行事「間々田のじゃがまいた」の重要無形民俗文化財指定から1周年を記念した展覧会が開催される。

 小山市立車屋美術館が所在する栃木県小山市間々田地区で、毎年5月5日に行われる「間々田のじゃがまいた」は、五穀豊穣や悪疫退散を祈願する祭礼行事。巨大な蛇(じゃ)が街中を練り歩き、池に入るなど、農作物のための降雨を祈る雨乞いの要素も見られ、日本の民間信仰を考えるうえで大変貴重であることから、平成31年度に重要無形民俗文化財に指定された。

 本展は、水神を象徴する龍、蛇、河童などをテーマにした美術作品を通して、水を司る神を信仰し、ともに生きてきた日本人の精神性や歴史にふれるもの。日本の伝統的表現による絵画、あらたな造形性を表出させた書、「じゃがまいた」のにぎやかさをカラフルに描いた絵画など、多様な作品が揃う。

 また本展には、緻密な構成で物語性のある独特な世界観を持つアーティスト・秋山佳奈子が参加し、新作を発表する。