EXHIBITIONS

中村亮一「Immigrant」

2020.09.26 - 10.24

a study of identity, 2020, Photo emulsion on brass plate, 7" x 5"

 時間や国籍、文化からアイデンティティとは何か探るアーティスト・中村亮一の個展がKOKI ARTSで開催されている。

 中村は1982年生まれ。2003年にベルリンへ渡り、04〜08年までベルリンで作家活動を行う。06年にはベルリン・ヴァイセンゼー芸術大学にて、カタリーナ・グロッセ教授の授業に聴講生として参加。帰国後は東京を拠点に活動を続けており、15年8月〜16年8月までポーラ美術振興財団在外研修員としてアメリカに滞在する。これらの経験に経て、「共存」に潜む問題や課題などに目を向けている。

 本展では、「a study of identity」シリーズの新作を含む作品400点以上が展示されている。

「a study of identity」シリーズは、第二次世界大戦中にアメリカ政府により強制収容所に送られた日系アメリカ人の肖像であり、日米両国のあいだで揺れる複雑なアイデンティティに着目し制作されたもの。同シリーズは75年以上前の人々の肖像でありながら、2020年にアメリカや世界中で起きている様々な出来事を考慮すると、現代社会との強い関わりを思わせる。