EXHIBITIONS

新・今日の作家展2020 再生の空間

地主麻衣子/山口啓介

2020.09.22 - 10.11

山口啓介 歩く方舟のfragment/water line 3 2019

地主麻衣子 Lip Wrap/Air Hug/Energy Exchange 2020

地主麻衣子 Lip Wrap/Air Hug/Energy Exchange 2020

地主麻衣子 欲望の音 2018 ※参考作品

山口啓介 「地球・爆」第10番より《黒い泪》 2012 撮影=怡土鉄夫

山口啓介 「地球・爆」第8番より《死海 ファルージャ》(部分) 2019 撮影=怡土鉄夫

山口啓介 「地球・爆」第8番より《白虎 リヴァイアサン》《進化論・退化説》(部分) 2019 撮影=怡土鉄夫

「新・今日の作家展」は、横浜市民ギャラリーが開館した1964年から40年にわたって行った「今日の作家展」の理念を受け継ぎ、2016年より始動した展覧会。これまで、同時代の表現を多角的に取り上げ、幅広い世代の作家の作品を通して現代美術を考察してきた。

 2020年は「再生の空間」をテーマに、身近な場所あるいは世界で起こっている事象に向き合い、未来を志向していく行動と日常への関心を喚起するような制作をしている2人の作家、地主麻衣子と山口啓介を紹介する。

 地主は1984年神奈川県生まれ。2010年多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。個人的な物語をテーマとしたドローイングや小説の制作から発展し、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを総合的に組み合わせた「新しい種類の文学」を創作している。近年の個展に、「欲望の音」(HAGIWARA PROJECTS、東京、2018)、「53丁目のシルバーファクトリー」(Art Center Ongoing、東京、2018)などがある。

 山口は1962年兵庫県生まれ。85年武蔵野美術大学別科実技専修科油絵専修修了。90年頃に方舟を描いた大型の銅版画作品でデビュー。92年ニューヨーク、ペンシルヴェニア(アメリカ)、95年にデュッセルドルフ(ドイツ)に滞在。以降、国内外で個展を開催し、グループ展に多数参加。歴史上の事柄を多面的にとらえ、版画、絵画、立体といった様々な表現方法により、自然と人間が共存するイメージの世界を描き続けてきた。

 移ろい過ぎ去っていく現在を見つめながら、不変的な視点を持ち合わせたふたり。本展では、見る者に記憶の再生や物事の再考を促す地主と山口の作品を展示し、新型コロナウイルスの影響により新しい生活が展開される今日の状況において、私たちの生やそれを取り巻く環境、社会を繰り返し認識していくような視点を提示する。