EXHIBITIONS

伊藤彩「Blink」

2020.09.18 - 10.04

伊藤彩「Blink」展より

 ペインター・伊藤彩の初となる作品集『RAPID RABBIT HOLE』の出版を記念した個展がNADiff Galleryで開催される。

 伊藤は1987年和歌山生まれ。2011年に京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻を修了。「Art Camp in Kunst-Bau 2007」(サントリーミュージアム[天保山]、大阪)でサントリー賞、「アートアワードトーキョー丸の内 2011」でシュウウエムラ賞および長谷川祐子賞を受賞。以降、国内外での個展開催や展覧会に多数参加し、精力的に活動している。

 伊藤の作品の特徴のひとつは、「フォトドローイング」と呼ぶ独得な制作プロセス。まず自身で制作したキャンバスのペインティングや紙のドローイング、陶器の立体物、布、家具などをセットしてジオラマをつくる。次に、時に5メートルを超えることもあるジオラマのなかに入り込んで写真に撮ることで、自身も思いもよらなかった構図やアングルの視覚的効果を念入りに検討し、そして実際の絵画制作に入っていく。この緻密なプロセスが濃密なリアリティとなり、色彩の海や脱力感あふれるモチーフの表情などの要素が合わさって、見る者を中毒的な魅力に引き込む。

 今回発表される作品集『RAPID RABBIT HOLE』は、2019年にクラウドファンディングで多くの方の支援のもと制作された1冊。絵を描き始めて13年目となる伊藤のこれまでの活動と作品がつまっている。

 本展では作品集『RAPID RABBIT HOLE』に掲載されている絵画作品を中心に展示・販売。また、NADiff a/p/a/r/t 1階の店内では作品集の販売とあわせて、立体作品の展示と、関連グッズの販売も行う。