EXHIBITIONS

MADSAKI「1984」

2020.09.11 - 10.01

Untitled 2020 ©︎ 2020 MADSAKI / Kaikai Kiki Co., Ltd. © 2020 Mattel

©︎ 2020 MADSAKI / Kaikai Kiki Co., Ltd. © 2020 Mattel

TBC 2020 ©︎ 2020 MADSAKI/Kaikai Kiki Co., Ltd.

 MADSAKIの日本では2年ぶりとなる新作個展がKaikai Kiki Galleryで開催される。

 MADSAKIは1974年大阪生まれ。6歳の時に大阪からアメリカ、ニュージャージーのバーゲン・カウンティへ移住し、96年にニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインでBFAを取得。グラフィティからの流れを汲むアーティスト・コレクティブ「Barnstormers」のメンバーとして数年間活動する。99~2002年まで、マンハッタン島内でメッセンジャーの仕事に従事。2004年に日本へ帰国し、裏原宿のブランドとのコラボレーションを手がけながら個展開催を続け、17年にカイカイキキの所属作家となった。

 本展では、「マスターズ・オブ・ザ・ユニバース」の名のもとに展開されているマテル製のおもちゃ、コミックの表紙やアクションフィギュアの包装を題材にした、MADSAKIの新作絵画、彫刻作品が展示される。

 展覧会タイトルに冠された「1984」は、アメリカに移住したばかりのMADSAKIにとって、言語と文化の架け橋となったアニメ番組『ヒーマン&ザ・マスターズ・オブ・ザ・ユニバース』のもとである、「MASTERS OF THE UNIVERSE」がブームの頂点にあった年。主人公・ヒーマンが宿敵スケルターから自身の星を守るために戦う物語は、MADSAKIの人格形成に深く関わっており、本展ではMADSAKIの人生における真のヒーローと世界観を描き出すべく、現代に様々なインスピレーションを与えてきたジョージ・オーウェルのSF小説『1984』を援用するという。

 会場には、「マスターズ・オブ・ザ・ユニバース」の世界を表すペインティングと、当時のおもちゃを約15倍に拡大した彫刻作品、そして10歳の頃のMADSAKIのぎこちない笑顔の写真をモチーフにした絵画作品で構成。スプレーで描くペインティングが多くの共感を呼ぶ、MADSAKIの中核にふれる機会となる。