EXHIBITIONS

鹿野震一郎「logs」

鹿野震一郎「logs」より

 鹿野震一郎は1982年東京都生まれ。2007年に名古屋造形芸術大学芸術学部美術科洋画コースを卒業。トランプや、サイコロ、床に小枝を配置して造られた迷路といったモチーフを、視点や大きさや関係性を変えて描いている。

 1枚では完成しているように見える鹿野の作品は、しかしほかの絵との関係性を通して謎めいた雰囲気や象徴的な意味合いを強め、日常の事物の背後にある複雑な物語や、世界を解き明かす法則が隠されていることをほのめかすような様相をもつ。

 主な個展に、「5 days for a flash(year-end)」(Satoko Oe Contemporary、東京、2018)、「plot」(LOOP HOLE、東京、2010)など。グループ展に、「凍りつく窓:生活と芸術」(CAGE GALLERY、東京、2019)、「絵画の在りか」(東京オペラシティ アートギャラリー、2014)、「Mono No Aware. Beauty of Things. Japanese Contemporary Art」(エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク、2013〜14)などがある。

 本展は「logs」というタイトルのもと、作家がこれまで訪れた場所、作品を展示した場所などを「ログ」のように描き留めていく。モビリティを持つことが困難ないま、作品を前に「これから鹿野が行く先にはどのような風景が広がっていて、それらはどのように描き留められるのだろうか」ということを、鑑賞者とともに思いを馳せる場をつくる。