山本和真 展「Nightcall」

　現代アーティスト・山本和真の個展が、銀座・阪急MEN’S TOKYO 7階の「タグボート」ギャラリースペースで開催される。

　山本は​1998年東京都生まれ。2019年に東京藝術大学油画専攻に入学。幼い頃からゲームやスマートフォン、映画などを快楽的なツールとして扱う。現在は大学に在籍しながら精力的に活動。現代のカオスで異質な様相を大衆文化やSNSなどのイメージからアプロプリエイトし、3Dモデリングで画像を再構成するような新しい技法に挑戦している。

　現実とインターネットの境界線が曖昧になりつつある現代。私たち現代人は、インターネットのなかに一種のリアリティを持っていると考える山本は、五感で感じられる森や空といった三次元空間と、映画やアニメ・ゲームなどの二次元的なコンテンツから流用したイメージとを、3Dモデリングを駆使しながらキャンバス上で融合させることにより、現実と仮想が混在する現代社会の様相を表現している。

　タグボートでの初個展となる本展では、新作の大型作品を展示。相反するものを同じ枠組みのなかで同居させ、情報社会におけるバーチャルとリアルのグレーな境界線にアプローチする、作家渾身の作品に注目してほしい。