EXHIBITIONS

髙橋銑「二羽のウサギ / Between two stools」

2020.09.11 - 09.28
 人間存在の営為をテーマに活動するアーティスト・髙橋銑の個展がThe 5th Floorで開催される。

 髙橋は1992年東京都に生まれ。2018年東京藝術大学彫刻科を卒業。近現代彫刻の保存修復に従事しながら、「全人類が共有しうるもの」としての「作品」をテーマに、彫刻や映像、インスタレーションなど様々なメディアで作品を制作している。

 作家にとっての「作品」とは、「美」や「善」のような普遍的な概念ではなく、例えば「水平」や「子宮」といった、人間誰しもが具体的に想像しうる事柄に起因するもの。そして、これらの作品には保存・修復のエッセンスが絶えず流れている。

 本展では、作品を成す素材が保有する時間性に着目した《アポトーシス 鉛白》《アポトーシス 膠》、「作品」を存続させているありとあらゆる状況を明白に描写する《二羽のウサギ》の新作3点を展示。「保存・修復」という「作品」の周辺にあるとされてきた営為に、髙橋の知る技術と哲学に焦点をあわせることで、作品の時間性、そしてその生について思案する試みとなる。