EXHIBITIONS

画廊からの発言 新世代への視点2020 

小野木亜美展

2020.07.27 - 08.08

小野木亜美 cells soda 2019

 東京・銀座、京橋を中心としたギャラリーが、それぞれに推薦した新鋭作家を紹介する合同企画「画廊からの発言 新世代への視点」の21回目が開催。会場となるのは、藍画廊、GALERIE SOL、Gallery Q、ギャラリー58、ギャラリーなつか、ギャラリイK、ギャルリー東京ユマニテ、コバヤシ画廊の8画廊。

 ギャラリー58では、小野木亜美の個展を開催。「pool」をテーマに、透明感と生命力あふれる作品十数点を展示する。

 小野木は1992年福島県生まれ。2015年東北芸術工科大学芸術学部美術科洋画コース卒業、17年に同大学芸術工学研究科修士課程芸術文化専攻洋画領域を修了。現在、東北芸術工科大学芸術工学専攻博士課程に在籍中だ。

 小野木は、日々繰り返し、身体に溜め込まれていく時間や変化などの「知覚できない世界」を見つめ、これまで「生命とは何か」という問いを制作の軸に、金魚など水中で泳ぐ生き物をモチーフに描いてきた。パネルに和紙を何層も重ねて貼り込み、アクリル絵具やカラーインクで鮮やかに着彩して、絵具の滲みや重なりを「絵の細胞」のように浮き上がらせて表現することで、「生命とは何か」という答えを導き出そうと試みている。

 本展では、植物の葉脈や動物の血管のようにも、あるいは細胞のようなミクロの世界から宇宙のような広がりも感じさせる新作を披露する。

「人間は生まれてから死へと向かう間、繰り返される時間を経験するが、それは毎日まったく同じ時間ではない。同じようで異なる時間を経験し、それらが身体に溜め込まれていく。私は身体に流れるそうした時間を見続けてみたい。和紙によって自由に流れる無数の絵具の滲みを細胞に見立て、かたちを浮き上がらせている(小野木亜美)」