EXHIBITIONS

PGI Summer Show 2020 "Colors"

2020.07.21 - 08.21

© Reiko Sawamoto

© Kikuji Kawada Courtesy of PGI

© Yoshinori Marui Courtesy of PGI

 PGIで毎夏恒例となるグループ展「PGI Summer Show」。今年は「色」をテーマに開催する。

 美術の歴史において、工業製品の技術の進歩は、表現の可能性の拡大に大きく寄与してきた。とりわけ写真は、技術と表現が非常に密接で、技術の変化・革新に大きく影響を受ける分野だ。

 1839年にダゲレオタイプが発明されてから昨年で180年。それからおよそ100年後の、1940年代にカラーフィルムが実用化された。保存性や表現性の観点から作品に用いられることは稀で、写真家が表現の手段としてカラーフィルムを手にしたのは、1970年代のこと。現在では、デジタルでの撮影や、インクジェットでのプリント制作における保存性もある一定のレベルに達し、多くの写真家がデジタルによる作品の制作を行っている。

 例えば石元泰博は、代表作「桂離宮」を1953/54年に元々モノクロで撮影したが、83年には『桂離宮 空間と形』(岩波書店)として、カラーで撮影した「桂離宮」(1981年撮影)の作品を発表している。

 レンズを通して世界を見つめ、白と黒の階調で自身の表現を獲得してきた写真家がカラー写真を手にした時、その表現の幅はどのように変化し、また広がったのだろうか。モノクロの表現よりもはっきりと「色つきの現実」が印画紙の上に現れることに戸惑った写真家もいたかもしれない。

 本展では、石元泰博の「桂離宮」のカラー作品を中心に、1940年代に撮影されたハリー・キャラハンによる抽象絵画を思わせるカラー作品、加えてNASAによる宇宙空間の記録など、カラー写真による様々な表現を紹介する。

 その他の出品作家は、ジャン・グルーバー、濱田祐史、川田喜久治、久保田博二、圓井義典、リチャード・ミズラック、オサム・ジェームス・ナカガワ、オリビア・パーカー、エリオット・ポーター、澤本玲子、コール・ウェストン。約40点を展示予定。