EXHIBITIONS

西澤知美「The skin you are now in」

西澤知美 Lip Gloss 2020

 メイク道具と医療器具を融合させた彫刻作品やインスタレーションの制作を行うアーティスト・西澤知美の個展が、アートフロントギャラリーで開催される。

 西澤は1989年東京都生まれ。東京藝術大学先端芸術表現科を卒業後、同大学大学院を修了。「現代美容のあり方」をテーマに在学中より、独自の視点でメイク道具と医療器具を融合させた彫刻やインスタレーションを発表。近年はアーティストとしての個人的創作活動に加え、クライアントワークも行っており、雑誌やイベントブースのアートディレクションも手がけている。

 2019年には、スプツニ子!とのコラボレーション作品《Tokyo Medical University for Rejected Women(東京減点女子医大)》を日本とニューヨークで発表。スプツニ子!の「入試で減点されて落ちた女子たちが入れる学校」のイニシャルアイディアのもと、作品構想・実制作を西澤が行い、皮肉の効いたストーリーある作品へと昇華し注目を浴びた。

 現代の美容技術向上および一般社会レベルでの美容整形に対する意識の変化は、非常に顕著であり、もはや一部の整形が化粧をすることとさして変わりのないものと認識されていると西澤は言う。

 本展では、最新作の注射器と化粧道具のグロスを融合した彫刻作品および、過去に制作された、管子とビューラーを融合した作品など、自身のこれまでの制作のなかでもモニュメンタルな大型作品を中心に発表。ボーダーを超えて行き来するイメージから現代社会における美容行為の真理を解き明かし、拡張する試みとしての美術を展開する。