EXHIBITIONS

片岡亮介「WELLNESS PAINTINGS」

2020.07.11 - 08.02

片岡亮介「WELLNESS PAINTINGS」より

片岡亮介「WELLNESS PAINTINGS」より

片岡亮介「WELLNESS PAINTINGS」より

片岡亮介「WELLNESS PAINTINGS」より

 筆やスプレー、マーカー、シルクスクリーンなどの多様なツールを用いて描くアーティスト・片岡亮介の新作個展がVOILLDで開催されている。

 片岡は1993年岡山県生まれ、東京造形大学を卒業後、約3ヶ月の渡米を経て拠点を東京へと移し、アーティストとしての活動を行いながら、グラフィックデザイナー、イラストレーターとしても作品の製作を行うなど、多彩な表現を用いて活躍の場を広げている。数多くのミュージシャンやクリエイターからも支持を得ており、広告やCDジャケット、カルチャーマガジンなどへの作品提供をはじめ、国内外での個展の開催やグループ展への参加など、精力的に作品を発表をし続けている。

 片岡は、古典的な西洋絵画や彫刻をはじめ、現代的なドローイングやペインティング、グラフィックなど、時代やジャンルを超えた様々な手法を取り入れた、独自の表現を展開。抽象化されながらも生き生きとした人物像や無機質なピクセルアートによるアイコン、フリーハンドの線やアウトライン・面のみでCGのように表現されたモチーフなど、立体と平面、リアルとバーチャルを行き来するかのような素材を組み合わせ、自在に配置し描くことで、新たな視覚表現を生み出している。

「WELLNESS PAINTINGS」と題された本展では、新型コロナウイルスの影響により混沌とし、閉鎖的になってしまった世のなかや人々のあり方と、美術の根源とも言える「描くこと」への疑問に迫った新作のオイルペインティング約20点を発表。

 改めて絵画というものに向き合いながら、立体やシルクスクリーン、CGを用いて制作してきた自身の過去の作品を振り返った時に、先人達が主に用いていた筆を改めて持ち、自身の作品をサンプリングするかのように描き直すことで、その答えを探し出し、より良く世界を見据えるという試みでもある。