EXHIBITIONS

高橋士郎 古事記 展  神話芸術テクノロジー

2020.07.23 - 10.11

高橋士郎 涙の神 2008 作家蔵

高橋士郎  イザナミ 1980 作家蔵

左から高橋士郎 《家屋の神》 (2019)、《大事の神》 (2006) いずれも作家蔵

 芸術にコンピュータやテクノロジーを浸透させた立役者のひとり、高橋士郎の展覧会が開催される。

 造形作家の高橋士郎は、1960年代よりコンピュータ制御のアート「立体機構シリーズ」を制作し、その先駆的な作品は日本万国博覧会をはじめとする多くの展覧会で発表してきた。80年代には風船を素材とした「空気膜造形シリーズ」を考案。みなが親しまれるアートを世界各地で活動を展開してきた。

 いっぽうで、「Shiro Takahashi」の名はイスラム数理造形の研究者としても世界的に知られている。2000年代には多摩美術大学の学長を務めながら、情報芸術の分野におけるユニークな教育の実践者として多くの才能を輩出してきた。

 本展は高橋が長年続けてきた「空気膜造形」研究の集大成として、日本の『古事記』に挑んだ作品群で構成。古代から現代まで、人間が「気」をどのように扱ってきたのか、その全歴史と文化を自家薬籠中のものとした高橋は、古事記のなかに現れる神々の「気宇壮大」を、独自の気膜テクノロジーによって21世紀に蘇らせる。

 土日祭日には生田緑地入口や美術館入口にも空気膜構造のロボット「バボット」が登場。奇想天外でユーモラスなキャラクターは、子供から
大人まで楽しめ、来場者はバボットと一緒に記念撮影もできる。