ルイジトコトナリー類似と異なり

　私たちは日々の暮らしのなかでたくさんの「顔」を見つめている。家族や同級生、職場の同僚など、日常的に出会う人たちの顔を見ることでその日の機嫌や体調を感じ取ることもある。

　2020年、世界は新型コロナウイルス感染症に脅かされ、感染拡大防止のため人々の顔はマスクで覆われることになった。はじまりの美術館は、私たちが外出自粛のなか感じた様々な不安も踏まえながら、「顔」をテーマとした企画展「ルイジトコトナリー類似と異なり」を開催。顔に関する様々な作品から、似ているものや違いを見つめ、いまの時代に私たちがともにあることについて考える。

　本展には、連続撮影した200枚のポートレイト写真を重ねて掘ることで、時間と人の歪みを生み出すNerhol、3本の線だけで様々な顔をつくるとんぼせんせいのほか、井口直人、今井真由子、KAZUSHI、駒嶺ちひろ、タノタイガ、盛山麻奈美、吉川秀昭のアーティスト9組が参加。類似と異なりを感じさせる絵画、立体、写真などの多様な作品に加え、見るだけでなく体験できる作品も展示される。