EXHIBITIONS

生誕120年

東郷青児展

抒情と美のひみつ

2017.07.08 - 09.03

東郷青児 バイオレット 1952 損保ジャパン日本興亜蔵

東郷青児 バイオレット 1952 損保ジャパン日本興亜蔵

 前衛画家としてその初期にイタリア未来派とも深く関わり、大正・昭和の美術をリードして大衆に親しまれた鹿児島県出身の洋画家、東郷青児の回顧展が開かれる。

 青山学院在学中からすでに画才を発揮し、音楽家の山田耕筰、画家の有島生馬らの知遇を受けて、1916(大正5)年、第3回二科展に《パラソルさせる女》を初出品、二科賞を受賞し華々しくデビューを飾った。21(大正10)年にはフランスへ渡り、ピカソなどとも交流。そして、約7年間の滞欧後、帰国した東郷は、《超現実派の散歩》などシュルレアリスム風の作品を制作したが、その後、甘美で幻想的な女性像、いわゆる「青児美人」を確立して大衆の人気を博した。

 20年代から50年代までの作品を中心に、彼が30~50歳代に何を志向し、どのような活動をしたのか、制作において何を成そうとしたのかなど、人気を博した女性像にいたる表現プロセスを探る本展。

 藤田嗣治と競作した百貨店の壁画《山の幸》、二科展出品以降初お披露目となる《扇》をはじめとする作品約60点のほか、装丁本やデザイン資料など、およそ時代ごとに4章に分けて展示する。