フランス近代絵画の精華

「フランス近代絵画の精華」展が山形美術館で開催。吉野石膏コレクションと服部コレクションから作品を厳選し、「印象派の輝き」（6月4日〜7月19日）、「フォーヴから戦後の具象まで」（7月22日〜8月30日）、「エコール・ド・パリ　マルク・シャガールを中心に」（9月1日〜10月4日）の3期に分けて、フランス近代絵画の名作それぞれ約30点ずつ、計90余点を紹介する。

　1期「印象派の輝き」の主な出品作は、エドゥアール・マネ《イザベル・ルモニエの肖像》、クロード・モネ《睡蓮》、ピエール=オーギュスト・ルノワール《庭で犬を膝にのせて読書する少女》、アルフレッド・シスレー《モレのポプラ並木》、ポール・セザンヌ《マルセイユ湾、レスタック近郊のサンタンリ村を望む》、フィンセント・ファン・ゴッホ《静物、白い花瓶のバラ》など。

　続いて2期「フォーヴから戦後の具象まで」には、ジョルジュ・ルオー《法官たち》、モーリス・ド・ヴラマンク《大きな花瓶の花》、パブロ・ピカソ《女の肖像（マリ=テレーズ・ワルテル）》、ワシリー・カンディンスキー《結びつける緑》など。そして3期「エコール・ド・パリ　マルク・シャガールを中心に」では、マルク・シャガールの作品をはじめ、モーリス・ユトリロ《モンマルトルのミュレ通り》、マリー・ローランサン《小さな天使たち》、モイズ・キスリング《背中を向けた裸婦》などが並ぶ。

　印象派・ポスト印象派に始まり、フォーヴィスム、キュビスム、表現主義、シュルレアリスム（超現実主義）へ、「イズム」の絶えざる生起と交替によって新しさを追求した近代美術の展開、そして戦後のフランス絵画の伝統と革新が織りなす豊穣な響き合いを堪能したい。