EXHIBITIONS

洋風画と泥絵

異国文化から生れた「工芸的絵画」

2020.06.09 - 09.06

蘭船蘭人風俗図屏風 江戸時代中~後期 日本民藝館蔵

黒船図 江戸時代後期 日本民藝館蔵

英国船のある異国風景図 江戸時代 19世紀前半 日本民藝館蔵

 日本で独自に発展した「洋風画」「泥絵」に焦点を当てた展覧会が日本民藝館で開催されている。

 江戸時代、長崎港を通じてオランダや中国から舶来した「異国」の文化。それは日本の絵画や工芸にも新しい表現を引き起こし、異国的風物を主題に描いた絵画やガラス絵や長崎版画、のぞき眼鏡で凸レンズから覗き見る眼鏡絵、そして大名屋敷や名所の風景を描いた東都江戸の土産絵・江戸泥絵などに、西洋の絵画技法の影響下で描かれた洋風表現を見い出すことができる。

 遠近法や陰影法は本来、事物を見たままに写し取るためのもの。しかし、西洋の画家から直接学ぶことのなかった日本では独特の描写が生まれ、さらに土産絵などとして民間に広まることで簡略化し、写生画とは異なった魅力を持つ「洋風画」や「泥絵」に変容していった。

 本展では、日本民藝館の創設者・柳宗悦(1889~1961)が「工芸的絵画」と呼び民画として位置づけた、江戸時代後期の洋風画と泥絵を中心に、館蔵品を展示。江戸時代の人々が身近に触れた「異国」の文化を振り返り、紹介する。

※本展は会期を6月9日〜9月6日に変更して開催(当初の会期は3月31日~6月14日)。入場にあたっての注意事項、最新情報は公式ウェブサイトにて案内。