あたり 展「But only in a limited space」

　複数人のメンバーで構成されたアート・コレクティブ「あたり」の個展が、タグボートのギャラリースペースで開催されている。

「あたり」は筑波大学の大学院を修了した三隅幸らと同大学出身者らによって結成。三隅を中心として、主にサイエンスからの芸術へのアプローチを作品とし、科学的な現象を取り入れ、ユニークで洗練されたヴィジュアルを生み出す。「Independent Tokyo 2018」にてタグボート特別賞を受賞するなど注目の作家集団だ。

　あたりの作品は、科学のテクノロジーを活かして視覚的トリックを生むという、コンテンポラリーアートではまだ例が少ないもの。例えば、通常なら水に浮かぶことのない壁掛け時計を浮かせ、さらにその時計が時を刻むという芸当を見せる。そしてあたりが展開するアートは、鑑賞者を楽しませるだけでなく、そのからくりを知ることでより作家の意図が理解できる仕組みになっている。

　本展では、美術史に新しい文脈を組み込む可能性を秘めたアーティスト・あたりが、渾身の最新作を披露する。