EXHIBITIONS

高橋佑基「Pin Point Petal」

2020.06.06 - 07.11

高橋佑基 Petal 1 2020 画像提供=児玉画廊

 高橋佑基は1992年神奈川県生まれ。東京藝術大学先端芸術表現科卒業。インスタレーションを中心に、ある景色の総合的な空気をひとつの視点に絞り込むことに重きを置きながら制作を行っている。
 
 高橋はインスタレーションという空間的な作品から、徐々にひとつの自律した彫刻的な作品を展開。力が溜め込まれ変換される場所と、その動作に関心を寄せ、力を引き分けて矢を放つ弓のような構造を作品に取り入れている。

 本展では、オールと水面、船とオールとの接点となる「金具(クラッチ)」の関係性についてのインスタレーションを発表。クラッチに負荷がかかり、「すり減っていく」様子に注目するという。

 評論家のgnckは本展へ、次のテキストを寄せている。「...作家が話す言葉は、飽くまでも言葉で表現し得ない作品の構想を、どうにかたとえ話として語った言葉に過ぎない(「弓」→「船」という展開を、果たして言葉だけ聞いていてあなたは発想できただろうか)。むしろ作品から、日常の様々な場面のイメージや、あるいは、あり得べき作品(それは次回作かもしれないし、自分なりの作品かもしれない)の構想だって浮かぶだろう。それを言葉にしようと思えば、それはどうしようもなくたとえ話になることに気づくはずだ...」