EXHIBITIONS

華雪「ながれる」

2020.06.05 - 07.05

写真=湯浅哲也(colonbooks)

写真=湯浅哲也(colonbooks)

写真=湯浅哲也(colonbooks)

 書家・華雪(Kasetsu)の個展がHARUKAITO by islandで開催される。

 華雪は1975年京都府生まれ。立命館大学文学部哲学科心理学専攻卒業。92年より個展を中心に活動。綿密なリサーチに基づく漢字一文字の作品づくりに取り組むほか、「文字を使った表現の可能性を探る」ことを主題に、国内外でワークショップを開催している。主著に『ATO 跡』(between the books)、『書の棲処』(赤々舎)など。作家活動のほか、『コレクション 戦争×文学』(集英社)、『石原慎太郎の文学』(文藝春秋)をはじめとする書籍の題字なども手がけてきた。

 華雪の字は「字=記号」や意味を超えて、意味を含みながらも風景さえ見えるような、文字への深い理解と、それを自身が腑に落ちるところまで「思いやる」やりとりがあって生まれる。そこには、日々違う「日」一つひとつ、かみしめる「日」の存在感がある。
 
 本展では、華雪が2017〜19年の一時期、毎日書いてきた「日」のほか、「水」(2019〜2020)、「鳥」(2016)の作品を展示。BLOCK HOUSEの「うつろう / Passing by」(2016)、「光」「花」(2018)とおよそ2年おきに展示を企画・開催してきた華雪が、今回「HARUKAITO by island」では初めて、東日本大震災後から制作する大作を発表する。

 東日本大震災から9年、そして全世界がパンデミックに直面しているいま、「今度こそ、『立ち止まる』ことを考える時期にきてるのではないか」と言う華雪。刻々と変わる時間のなかで、「立ち止まること」を書き、コロナ前と後が混じり合う華雪の作品が見られるのは、いまだけとなる。