EXHIBITIONS

デイヴィッド・シュリグリー / 金氏徹平

デイヴィッド・シュリグリー Exibition, 2016-2020 © David Shrigley Courtesy of Stephen Friedman Gallery, London, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

金氏徹平 Games, Dance and the Constructions(Soft Toy) 2020 © Teppei Kaneuji Courtesy of Yumiko Chiba Associates

 ブラックユーモアを孕んだ作品世界を展開するアーティストのデイヴィッド・シュリグリーと、彫刻やインスタレーションを中心に、幅広い領域で活動する金氏徹平の2人展が開催される。
 
 シュリグリーは1968年イギリス・マックルズフィールド生まれ。現在、イギリスのブライトンを拠点に活動。ヴィジュアル・アートへの貢献により、今年、大英帝国勲章(OBE)を受賞した。

 多岐にわたる活動のなかでも、シュリグリーがもっとも精力的に制作してきたのが、短いテクストを書き込んだドローイングやペインティング。シュリグリーのつくり出す脱力感のある作品は、従来のアートが備えていたシリアスさと一線を引くものでありながら、アートの可能性を拡張するものであるとも言えるだろう。

 他方、金氏は1978年京都府生まれ。現在は京都を拠点に活動。金氏は、雑誌やマンガの切り抜きを軽妙かつ複雑に構成した平面作品や、プラスティック製品やおもちゃを石膏で覆う立体作品など、一貫してコラージュ的手法を駆使した仕事で知られている。

 近年では、演劇ユニット「チェルフィッチュ」とともに劇場版『消しゴム山』・美術館版『消しゴム森』を発表するなど、表現の領域をますます拡張している。

 本展は、シュリグリーと金氏が精力的に制作してきた平面作品を中心に構成。日常に根ざした既知のイメージや物事を扱いながら、見慣れた風景を転倒させ、そこに風穴を開けるふたりの取り組みに注目したい。