EXHIBITIONS

西洋近代美術にみる 神話の世界

2020.05.30 - 07.12

フレデリック・レイトン 月桂冠を編む 1872 リヴァプール国立美術館 ウォーカー・アート・ギャラリー蔵 Courtesy National Museums Liverpool, Walker Art Gallery

ジャン=オーギュスト・ドミニク・アングル ユピテルとテティス 1807-25頃 東京富士美術館蔵

ローレンス・アルマ=タデマ お気に入りの詩人 1888 リヴァプール国立美術館 レディ・リーヴァー・アート・ギャラリー蔵 Courtesy National Museums Liverpool, Lady Lever Art Gallery

 田園にたたずむ女神、戦場で戦う英雄、水浴するニンフなどが登場するギリシャ・ローマ神話は、古代から芸術作品の主題となり、神話は時代ごとに解釈を加えられながら、美術のなかで様々に表されてきた。

 古代遺跡の発掘が進んだ18世紀では、考古学的関心に基づきながら同時代の趣向を反映した古代のイメージが描かれた。19世紀以降も神話と古代の文化は、象徴主義や印象派の画家、そして現代のアーティストたちにインスピレーションを与え続けている。

 本展では、古代遺跡に魅了されたピラネージから神話の物語を題材に作品を描いたヴィクトリア朝の画家たち、豊かな自然のなかに女神を思わせる裸婦を描いたオーギュスト・ルノワール、さらに神話上の怪物を登場させたパブロ・ピカソまで、18〜20世紀に活動した作家34名による作品を紹介。幻想的な版画、優美な古典世界、穏やかな田園風景など、リヴァプール国立美術館所蔵の作品2点を含む約60点が展示される。

 古代から脈々と受け継がれてきた、西洋美術の基盤のひとつである物語の系譜を楽しみたい。