EXHIBITIONS

収集 → 保存 あつめてのこす

2020.04.04 - 05.17

森村泰昌 肖像(双子) 1988-90 © Yasumasa Morimura 高知県立美術館所蔵

岸田劉生 画家の妻 1914 高知県立美術館蔵

絵金派 源平布引滝 竹生島遊覧 制作年不詳 高知県立美術館所蔵

ゲルハルト・リヒター ステイション(577-1) 1985 © Gerhard Richter 高知県立美術館所蔵

柳幸典 ヒノマル・イルミネーション 1992 撮影=上野則宏 © Yukinori Yanagi 高知県立美術館所蔵

 きらびやかな作品が並ぶ展覧会をイメージさせる美術館は、華やかな展覧会の開催だけでなく、アートを「収集」し、次世代に託す「保存」の役割も担っている。

 本展は、美術館の柱となるふたつの機能「収集」「保存」に着目し、幕末維新期の絵師・絵金から岸田劉生、森村泰昌柳幸典ゲルハルト・リヒターアンゼルム・キーファー、そしてジャン=ミシェル・バスキアまで、高知県立美術館が誇るコレクションを展観する。

「収集」のセクションでは、「なぜこれがここにあるのか」という視点から、作品の来歴や収蔵経緯、アート市場における評価など、収集にまつわる様々なエピソードを交えて作品を展示。

 いっぽう「保存」では、同館が1998年の高知豪雨水害で被災した歴史を踏まえた上で、作品修復や素材技法を調べるための科学分析、アーティストへのインタビューといった多角的なアプローチを通し、美術館という制度で作品(=モノ)を残し伝えていくことの難しさとこれからの可能性を探る。

 一風変わった切り口からコレクションを紹介することで、これからの美術館のあり方そのものを問い直す本展。高知県立美術館のこれまでのコレクション形成の歴史をたどるだけでなく、作品の過去と未来の姿に思いを馳せ、地域における美術館の役割を再考する機会となるだろう。

※高知県立美術館は新型コロナウィルス感染症の感染拡大の防止のため、4月10日〜4月26日まで臨時休館(今後の状況により延期する場合あり)。これに伴い本展の開催を休止。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。