EXHIBITIONS

旅へのいざない

2020.03.14 - 06.14

御船綱手 世界周遊実写 欧山米水帖(瑞西ウエツテルホルン峯) 1913 ※途中展示替えあり

池田遙邨 昭和東海道五十三次(原 秋晴)

貝原浩 糸車と村の人々 1993

永岡博 reversionⅡ 1975

 倉敷市立美術館は、人を魅了してきた「旅」をテーマに、池田遙邨、貝原浩、満谷国四郎らコレクション作品による展覧会を開催している。

 古来、人は日常生活から離れ旅をすることで、見慣れない風景や異なる文化にふれてきた。旅は私たちに新たな視点をもたらし、時に自らについて深く考えるきっかけをもたらす。また、ある場所から別の場所に物理的に移動する旅だけでなく、自らの心の奥深くを探る営みや、時間を飛び越えて過去・未来へ眼差しを交差させる営みも、比喩的に「旅」と言い表すこともできる。
 
 本展は、「日本の旅」「異国への旅」「内面への旅」「遙かな時への旅」の4つのコーナーで作品を展示。旅をこよなく愛し、東海道五十三次を歩いて写生した池田遙邨をはじめ、国内外を旅し、懐かしい日本の風景を描くいっぽう、チェルノブイリ原発事故に取材した一連の作品を描いた貝原浩、明治末にハワイから北米、ヨーロッパを横断し、各国の風景を「世界周遊実写 欧山米水帖」に描いた御船綱手(みふね・つなて)、シュルレアリスム的な表現によって見る者を心の内なる世界へと誘い入れる永岡博など、多様なジャンルの作家による様々な旅の諸相を紹介する。