EXHIBITIONS

qp個展「明るさ」

2020.06.18 - 06.30

qp個展「明るさ」より

qp個展「明るさ」より

qp個展「明るさ」より

qp個展「明るさ」より

qp個展「明るさ」より

qp個展「明るさ」より

 qp(キューピー)は1979年兵庫県生まれのアーティスト。2000年代中盤より活動を始め、初期はイラストレーションと美術の分野で並行して作品を発表し、現在は絵画に注力して制作を行っている。

 2019年に7年ぶりとなる個展「セルヴェ」をパープルームギャラリーで開催。デジタル移行前のアニメのセル画にヒントを得た手法を用い、アール・ヌーヴォーの曲線感覚ときらめく玉を融合させた作品を発表した。その半年後に行う今回の個展では、セル画の手法を一旦保留し、新たな手法を用いた新作絵画を発表する。

 約4ヶ月という短期間で集中的に制作された作品は大きく2種類に分けられ、ひとつは自然に委ねて作られた造形が画面を埋める装飾性の強いシリーズ、もうひとつは雲と太陽の関係を描いたシリーズ。前者は、溶かした水彩絵の具を紙の端から流し込み、そこに生まれた余白に着色するという独特の手法で、意図しない形に意図した色を塗ることで作品化している。

 後者の雲と太陽の関係を描いたシリーズも、前者から派生して生まれた作品群。同じように完全にコントロールされないよう水彩絵具を紙に流し、そこからできたかたちを雲に見立て、隙間から太陽が覗く絵であり、どこか叙情的な雰囲気を持つ。

 2つのシリーズで使われた技法は、ヘレン・フランケンサーラーやモーリス・ルイスらの用いたステイニングの別の可能性を感じさせるが、qpは今作で抽象画に限定せず、構図には中心が与えられている場合も多い。またこれらの作家は巨大な画面へと向かったが、qpの作品は手のひらに乗るようなごく小さなサイズであり、親密な印象を与える。

 本展にあわせ、作品集『明るさ』(DOOKS)と『メイキング 明るさ』(sign and room)の2冊を同時刊行予定。

※Alt_Mediumは6月18日より営業を再開し、本展の会期を変更して開催(当初の会期は4月16日~4月28日)。最新情報は公式ウェブサイトにて案内。