EXHIBITIONS

京都祇園祭

―町衆の情熱・山鉾の風流―

2020.03.24 - 05.17

祇園祭礼図屏風(右隻) 17世紀後半 細見美術館蔵 通期展示

祇園祭礼図屏風(左隻) 17世紀後半 細見美術館蔵 通期展示

鶏鉾飾毛綴 鶏鉾 16世紀 前期展示 重要文化財

黒韋威肩白胴丸・大袖喉輪・脛当付 浄妙山 室町時代後期 重要文化財 通期展示

金地四季花の丸図 格天井 船鉾 1834(天保5)年 通期展示

角飾金具 成物尽文様八珍果文様 鶏鉾 1825(文政8)年 通期展示

祇園祭礼絵巻 冷泉為恭筆(部分) 国学院大学博物館蔵 1848(嘉永元年) 通期展示

※新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止に鑑み、「京都 祇園祭 ―町衆の情熱・山鉾の風流―」展を中止。詳細は公式ウェブサイトまで。

 1000年以上の歴史を持つ京都の祭礼「祇園祭」。その源泉は平安時代中期にさかのぼり、都の安寧を脅かす疫神の退散を願った祭儀に由来するとされている。

 それから幾多の年月を経て行くなかで、祇園祭には様々な変化がもたらされ、いまからおよそ700年前には「山」や「鉾(ほこ)」の姿が祭礼に登場するようになった。この変化の背景には、人々を驚かせるような華やかな趣向を凝らす当時の美意識「風流(ふりゅう)」の高まりがあった。

 江戸時代に入ると、かつては毎年のようにつくり替えられていた祇園祭の山鉾の趣向は様式化が進み、そのいっぽうで本体に飾られる装飾品はより豪華なものへと発展。その担い手となったのは、後に町衆と総称される商工業者たちであった。西陣に代表される京の染織技術を応用した懸装品や、都の金工師らによる職人技をふんだんに盛り込んだ美しい飾金具、そして京都で活躍した一流の絵師たちが山鉾に描いた作品など、町衆の情熱は、祇園祭の山鉾を「動く美術館」と称されるまでに高めていった。

 本展のテーマは、祇園祭の山鉾に込められた人々の思い。華麗な装飾を体現させ、いまに受け継いできた人々の心に光を当て、日本を代表する祭りとして世界に認められる京都・祇園祭の山鉾巡行の真髄に迫る。
 
 展示品は、江戸時代の祇園祭の全体像を描いた屏風や幕末期の山鉾を網羅した絵巻、祇園祭の様子を紹介した観光案内書など。また、ヨーロッパで製作されたタペストリーをはじめ、異国情緒あふれる趣で山鉾を飾った装飾品や、祇園祭山・鉾町に伝わる現存最古の衣装などの貴重な資料も多数公開されている。