EXHIBITIONS

アール・ブリュット ―交差する物語―

与那覇俊 無題(8色PEN色々Story㉓番目)無限(∞) 2017

汪化(ワン・フア) Ten Doors No.7(部分) 2015

濱中徹 ポケットウォッチ 2007

 2020年2月に滋賀で開催された「障害者の文化芸術フェスティバル」のグランドオープニング「アール・ブリュット-日本人と自然-」展の出展作品(作者33名、作品数約500点)のなかから、制作背景が特徴的な作者を紹介する展覧会。

 出展者は、コピー機に身近なものを置き、自らの顔を押し付け出力するという行為を記録し、強いイメージを生み出す井口直人、スパンコールを用いてきらびやかに彩った絵を描くスパラーク・サンサイ、小さな要素を繰り返し増殖・密集させ、ひとつの大きな集合体をかたちづくる西川智之。植物やアマガエル、昆虫など身近に潜む小さな存在を絵のモチーフに、自然科学や機械工学のエッセンスを交えながら融和させる濱中徹、数式のようなものを細かに記し、またある部分には、誰かに向けて発せられた台詞やダジャレなど、あらゆる場面を構成要素として、壮大なひとつの風景画をつくる与那覇俊、植物がうごめいているかのような、あるいは気の遠くなるような迷路を見ているかのような緻密かつ繊細な線を描写し、見る者の様々な感覚を呼び起こす汪化(ワン・フア)の6名。

 本展では、生まれた環境や年齢、制作に向かう動機も異なる6者6様の「ありのまま」を伝える物語が、NO-MAを舞台に交差する。