EXHIBITIONS

岡崎和郎「補遺の庭―存在論的」

2020.03.23 - 04.17

展示風景

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展示風景

※新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、横田茂ギャラリーは一時休廊。最新情報は公式ウェブサイトまで。なお、本展の展示風景をYouTubeにて配信中。

 独自の造形思想のもとで、多種多様な「オブジェ」作品を発表してきた美術家・岡崎和郎の個展が開催されている。

 岡崎は1930年生まれ。50年代より讀賣アンデパンダン展に出品し、作家活動をスタート。初期のオブジェでは「内部」を起点に、外と内、表と裏、虚と実をめぐる問いかけを示し、次いで身体の痕跡といった人間全般へと対象を広げた。その後、「御物補遺(ぎょぶつほい)」と呼ぶ、部分を通して全体を見通す造形思想を確立する。

 この思想を一貫して制作に取り組み、近年では、樹木や石、溶岩などの自然物を素材に、自然に対する問いかけを作品化。幾何学的な立体や鉄の棒が組み合わせられたオブジェのなかに、日よけや雨よけとして屋根につけられる庇(ひさし)に由来する作品《HISASHI》を配し、自然と人工という異なる領域がつながるような、「補遺の庭」という空間に立ち上がらせる。

 現在も「オブジェ」を中心とした作品制作を精力的に行う岡崎。本展では、作家が90歳を迎えたこと記念して新作を展示する。