EXHIBITIONS

井上りか子「かなしみにくちづけを」

2020.03.20 - 04.11

井上りか子 おしゃべりな孤独 / Talky Lonely 2020

井上りか子 そこで交換しあっていた暫定的なイメージ / A provisional image that was exchanged there 2019

井上りか子 未熟についての話をしようか / Shall we talk about immature 2019

 美術大学の現役学生ながら、シェル美術賞や上野の森美術大賞への入選を果たすなど精力的に活動する画家・井上りか子。LOKO GALLERYでの初個展では、未公開の最新作およそ10点を発表する。
 
 井上は1997年東京都生まれ、武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻に在籍。今年、ベルリン芸術大学協定留学に派遣。主な個展に「シュランムフィッシュ」(GALLERY b. TOKYO、2019)、「暗黙知」(Hammock cafe、東京、2018)などがある。

 井上は制作の最初期から一貫して、人体や植物といった有機的なモチーフに扱ってきた。流動的で生々しい肉体の表現は人間の情念や体内の神秘などを感じさせるいっぽうで、深刻さや暗さとは距離を置いた、どこか乾いたユーモアを秘めている。

 本展のタイトルは、フランソワーズ・サガンの著作『悲しみよこんにちは』から着想を受けてつけられたもの。井上は現在の自分にとって、「悲しみ」がもっともリアリティをもってとらえられる感情だと語っている。それは必ずしもネガティ部なものとは限らず、「その感情が嘘ではない」という感覚のなかにある種の真実性や美を見出すことが、作家にとっては生やいまの制作の要点になっているという。

※LOKO GALLERYは新型コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を鑑み、4月7日より臨時休廊。これに伴い、本展の開催を中止。ギャラリー再開については、公式ウェブサイトにて案内。