ロジャー・バレン

　ニューヨークに生まれ、現在南アフリカを拠点とする写真家ロジャー・バレンの個展「BALLENESQUE」が開催される。
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　バレンは、南アフリカ・ヨハネスブルグの地で35年に渡たって写真の可能性を探り、実験的なアプローチによって作品を次々と発表。2001年に「Outland」で一躍その名前を世界に広め、その後もセンセーショナルな創作活動で注目を集めてきた。
　
　バレンの作品の特徴はその強烈な人物像、そして、窓のない壁や部屋の主が描いた落書き、シミや針金といった要素。人物とそれら複合的要素が光と影の中でぶつかり合って接合と分裂を繰り返し、これ以上足すことも引くこともできない一瞬が記録されている。

　初期から中期にかけた作品は、社会の周縁に生きる人々に向けられ、中期からは人物モチーフを遠ざけて、ドローイング、空間構成に及ぶより前衛的な表現に移行。展覧会タイトルである「Ballenesque＝バレン的な」は、一見認識し難いバレン特有の美を表している。