EXHIBITIONS

小池健輔&トーマス・ソヴァン「No More No Less」

2020.02.13 - 03.21

No More No Less 2017 © Kensuke Koike & Thomas Sauvin

 人間の想像力や知覚をテーマに、ヴィンテージ写真を使ったコラージュ作品を制作する池健輔と、写真コレクター、編集者でもあるパリ出身のアーティスト、トーマス・ソヴァンによる2人展が開催されている。

 池健は1980年愛知県名古屋市生まれ。蚤の市などで手にいれたファウンド・フォトに自ら手を加えた作品など、写真をメディアとして扱い、 古い写真に新たな文脈を与えるコンセプチュアルな作風で知られている。

 いっぽうソヴァンは、中華人民共和国が設立された1949年以降のファウンド・フォトを収集・作品化し、近代の中国における集団記憶に焦点を当てた異文化プラットフォームとして、 アーカイブ機関「Beijing Silvermine」を主宰。12年間北京を拠点とし、現在はパリで活動している。

 本展では、普段は個々人で活動するアーティストでありながら、 「錬金術師」的なアプローチの共通性を持つ2人がコラボレーションした「No More No Less」シリーズ全27点を公開。中国の市井の人々のポートレイトをベースとした同シリーズは、ソヴァンが定めたコンセプトをもとに小池によって制作され、「No More No Less」という自由でありながら制約もある文脈のなかで、イメージを再構成することの可能性に対する2人の探求を見ることができる。