EXHIBITIONS

anan創刊50周年記念展 生きて、愛して、歌って。

創刊から'70年代の『anan』をプレイバック

2020.03.07 - 04.05

『anan』創刊号表紙(1970年3月3日発売号) © マガジンハウス

 1970年3月に誕生したファッション雑誌『anan』。立木義浩の撮影による写真が表紙を飾った創刊号には、提携誌『ELLE』の編集長やフランス大使の祝辞が寄せられ、グラビアではパリ行きのエール・フランス機内に乗り込むモデルの様子が紹介されるなど、まだ一般の日本人にとって遠い地であった海外への憧れを喚起させた。同時に、澁澤龍彦、三島由紀夫などの文化人の寄稿も掲載された、それまでにはない画期的な雑誌であることを印象づけた。

 型紙のついた実用服飾誌が「ファッション雑誌」の典型だった当時、「布をみにまとうことだけがおしゃれではありません。リズムをとること、踊ること、話すこと、どんなものをどんな風に食べるかということ、住むこと、旅すること、みんなファッションです(第7号巻頭ページより)」と宣言した『anan』の登場は、出版界のみならず日本の若者カルチャーにとって黒船の到来と言えるものだった。

 初期の『anan』は、全面的なアートディレクションを担当した堀内誠一の手によるタイトル、大橋歩のイラストによるパンダのロゴとともに、それまでの雑誌には見られなかったタイプのモデルが表紙を飾った。当時としては難しかった海外ロケを敢行し、様々な分野の若い才能が起用されてつくり出された生き生きとした誌面は、次第に新しい文化の発信源として若者たちに認知されるようになり、その後のクリエイティブ界に大きな影響を与えてきた。

 本展では、創刊から50周年を記念して、昭和・平成・令和にまたがってつねに時代を映し、女性たちに新しい生き方を提示してきた『anan』の現在とこれからを紹介。創刊から草創期に同誌で活躍した飯野和好、スズキ・コージ、原由美子ら、クリエイターたちに焦点を当て、時代の変遷に寄り添いながら、現在も新しい読者を魅了し続ける『anan』の魅力に迫る。

※3月28日より、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、当面のあいだ臨時休館。