EXHIBITIONS

昆布とミヨク

-潮香るくらしの日韓比較文化誌

2020.03.17 - 05.17

カジキ突きんぼう漁具一式 20世紀 館山市立博物館蔵 国指定重要有形民俗文化財

韓国のワカメ採取用テベ(筏) 20世紀 韓国国立民俗博物館蔵

スズメダイの塩辛甕 20世紀 韓国国立民俗博物館蔵

ハ・ウン画『風俗画帖』「女人塩辛商人」 1907 韓国国立民俗博物館蔵

ホセンウォン(豊漁と安全の神霊) 現代 韓国国立民俗博物館蔵

鰹のエビス像 複製 年代不詳 国立歴史民俗博物館蔵

大漁旗 20世紀 個人蔵

大漁旗 1970年代 韓国国立海洋博物館蔵

「昆布」と「わかめ」を切り口に、日本と韓国の生活文化を比較する日本初の大規模展覧会が開催される。

 日本と韓国のどちらにおいても馴染み深い2種類の海藻「昆布」と「わかめ」は、古くから日々の暮らしの糧とされてきた。いっぽうで、儀礼食や贈答品という観点からは、日本では「昆布」が、韓国では「ミヨク(わかめ)」が重要な役割を果たしており、異なる文化的意味を持つ。

 本展は、国立歴史民俗博物館と韓国国立民俗博物館が2015年より進める共同研究「海の生産と信仰・儀礼をめぐる文化体系の日韓比較研究」の成果を発表する国際企画展。すでに韓国では2019年10月~2020年2月にかけて開催され、好評を博した。

 会場は、両国の食文化を支える出汁や多様な海産物を素材とする塩辛などの製法の違い、また祭祀で供えられる魚介類などの歴史をひもとく「海を味わう」、漁師の技術や信仰など、海にまつわるそれぞれの文化を紹介する「海に生きる」、日韓の漁民のかかわり方が変化する過程を追う「海を超える」の3部で構成。漁業で実際に使われた道具、古文書や「トッケビ」「エビス像」といった歴史資料などおよそ400件が展示される。
 
 本展は、韓国と日本の展示をほぼ同じ内容で公開する画期的な試みでもあり、両国の海をめぐる日常の歴史とその変遷を、類似と相違という観点から光を当てる。

※3月17日〜5月17日までの日程で開催を予定していた国際企画展示「昆布とミヨク―潮香るくらしの日韓比較文化誌」は、新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡散防止に伴う国立歴史民俗博物館の再開館のめどがたたないことから、開催を中止。詳細は公式ウェブサイトにて案内。