EXHIBITIONS

深井隆 -物語の庭-

2020.03.14 - 06.28

深井隆 月の庭-言葉を聞くために- 2004

深井隆 あるいは逆さになった眼球 1991

深井隆 逃れゆく思念-旅の記憶- 2015

深井隆 詩よりも遠く 1995

深井隆 幻想の闇より 1993

深井隆 栖 2018-2 2018

 深井隆は、人間存在を表現した「椅子」の作品で知られる彫刻家。東京藝術大学を卒業し、1979年の初個展以来、日本を代表する彫刻家のひとりとして第一線で活躍してきた。

「もの派」やコンセプチュアル・アートといった、美術に関する既存の概念に問いかけるような作品が展開された70年代後半に作家活動を始めた深井は、同時代の空気に触れながら、自身は主に樟(クスノキ)を素材として、翼のある椅子や馬などをモチーフとした作品を「逃れゆく思念」「月の庭」などと詩的なタイトルをつけて発表。一貫して人間の存在を問い続け、後の代名詞となる最初の椅子作品《あるいは逆さになった眼球》(1991)には、額縁や本に象徴される「美」や「知」を受け止めて立つ、深井自身の姿も反映されている。

 また深井は、35年にわたって同大学美術学部彫刻科で後進を指導。同校退任後の現在は、学生時代より暮らしている板橋と故郷の群馬のアトリエを拠点として制作を続けており、作品は国内外で展示されている。

 作家自身のセレクションによる本展では、90年代の個展以来の展示となる貴重な作品から、発想の原点とも言える平面作品、未発表の新作までを幅広く紹介。大きな馬の彫刻を中心に丸い形や円錐を置き、日本庭園の枯山水を連想させる「月の庭」シリーズなど、板橋区立美術館の展示空間全体を舞台に、いくつかの「物語」が展開される。

※板橋区立美術館は5月30日より再開し、本展の会期を6月28日まで延長して開催。来館にあたっての注意事項および最新情報は、公式ウェブサイトにて案内。