EXHIBITIONS

坂本和也「Spring ephemeral - スプリングエフェメラル」

2020.03.06 - 04.04

坂本和也 Become springlike 2019 © Kazuya Sakamoto

 水草をモチーフにした絵画を発表するアーティスト・坂本和也の新作個展が開催される。

 坂本は1985年鳥取県生まれ。2012年名古屋芸術大学 美術学部洋画2コース卒業、14年名古屋芸術大学大学院美術研究科美術専攻同時代表現研究領域修了。17〜18年まで文化庁海外派遣制度にて台北で滞在制作し、galerie nichido Taipei(台北、2018)にて発表を行った。そのほかの主な個展に、「Landscape gardening」(米子市美術館、2017)、「Between Breaths」(nca | nichido contemporary art、東京、2016) などがある。

 坂本はこれまで自身の趣味である水草の飼育(アクアリウム)を通して、生態系の構成要素のなかに現代の社会環境との類似性を見つけたことから、植物をモチーフにして物事の内面を表そうと探求してきた。反復と増殖を繰り返しながら綿密に描かれる多種多様の植物は、生命を維持するために変容を繰り返す進化の過程を想起させる。

 本展では、春先の短い期間に開花し、夏に葉をつけたあとは地中で過ごす植物群「スプリングエフェメラル」をモチーフとした新作を発表。ほかの植物との競争を避けるためにライフサイクルに時間差をつけることで、繁殖・生存しようとするこれらの花々に焦点を当て、自己の潜在意識や精神状態、葛藤を可視化させることを試みる。