EXHIBITIONS

廣瀬智央

森のコスモロジー

廣瀬智央 La terra é blu come un'arancia 2017(2008) © Satoshi Hirose

廣瀬智央 La terra é blu come un'arancia 2017(2008) © Satoshi Hirose

廣瀬智央 Beans Cosmos 2015 ©Satoshi Hirose photo by Kenji Takahashi

廣瀬智央 Untitled 1992 ©Satoshi Hirose photo by Kenji Takahashi

 廣瀬智央は長年に渡る異文化での体験を推敲し、日常的な素材を用いて視覚化した、透明感と浮遊感を伴う作品を制作。インスタレーション、パフォ-マンス、彫刻、写真、ドローイングなど様々なメディアによって、現実と記憶の世界が交差する世界観を生み出している。

 これまで、現実に旅した空を長年撮り続けた「空」シリーズ、印刷物から切り取ったイメージで旅した写真作品「ナイト」シリーズ、食材や地図、豆やゴールドなどの素材をアクリルキューブに閉じ込めた彫刻作品「ビーンズコスモス」シリーズなどを制作。毎日の暮らしの中に溶け込んだものを掬い上げ、詩のように再構成された廣瀬の作品は、みずみずしい実存性が魅力となっている。

 小山登美夫ギャラリーで4年ぶりの個展となる本展では、1992年から2017年にわたって制作された彫刻、ドローイング、写真などの作品を、展示空間を繋ぐメディウムとして構成。神秘的で多様な世界観と思考の軌跡がひとつのインスタレーション作品として展開する空間は、多様な生命が複雑に交差する森を思わせる。