Paper Works

　世代や国籍の異なるアーティストが作成した「書類」に着目した展覧会「Paper Works」が開催。本展では、現代美術の成立を支える「作品証明書（certificate of authenticity）」や「作品展示指示書」などの書類に焦点を当て、美術における内容と形式、規範について考察を試みる。

　出展作家は、1960年代より一貫して、言葉同士を組み合わせた作品を発表するローレンス・ウィナー、思念やラジオが発する周波やガスといった目に見えないものを作品に取り入れたロバート・バリー、議論する様子を写真に収めて作品化し、また指示書に沿って壁や床に円を描くシリーズなどで知られるイアン・ウィルソン。

　私的な写真を街の看板に設置した野外作品をはじめ、メッセージ性のある作品を展開したフェリックス・ゴンザレス=トレス、照明が繰り返し点滅する室内など、ある規則のもとでインスタレーションを手がけるマーティン・クリード、美術作品や日常のものごとを素材に、見る者の認識を拡張するようなオブジェやインスタレーション、絵画などを制作するライアン・ガンダーら。