EXHIBITIONS

中沢研 展

2020.02.18 - 04.18

中沢研 立つ 2020

中沢研 立つ 2020

 針金や木を素材にインスタレーションを制作してきたアーティスト・中沢研の個展が開催される。

 中沢は1970年東京都生まれ、多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。主な展覧会に、横浜トリエンナーレ2001(パシフィコ横浜)、「MOTアニュアル1999 ひそやかなラディカリズム」(東京都現代美術館)など。針金や木など視覚的ボリュームが希薄な素材を用いて、展示空間に呼応するインスタレーションを制作している。

 本展では新作インスタレーション《立つ》を発表。ギャラリー空間全体に、直径3ミリの鉄材と約10センチ四方の木片を用いた高さ1.4メートルほどのオブジェが50体が並ぶ。
 
 中沢はゆるやかな規則性をもって作品を展開してきたが、今回は線の重なりや角度を頭のなかでイメージして絵を描くようにランダムに配置。中沢特有のコの字型の鉄材がわずかに歪みながらひそやかにたたずむオブジェは、人体を想起させるひとつの彫刻作品のようでもある。これらが50体置かれることによって空間の質は変容し、インスタレーション作品として成立する。

 中沢による新作《立つ》は、彫刻とインスタレーションの間を行き来し、鑑賞者の視線や意識の向け方によって変化する風景を見せる。