EXHIBITIONS

安部典子「Shadows and Synchronicity」

2020.02.07 - 03.07

©︎ Ambe Noriko / MAHO KUBOTA GALLERY

安部典子 The fold - Desert Bloom: Fazal Sheikh 2016 ©︎ Noriko Ambe / MAHO KUBOTA GALLERY

安部典子 Miles 3 2017 ©︎ Noriko Ambe / MAHO KUBOTA GALLERY

 白い紙や、本のページを切り抜いて重ねた彫刻作品などを手がけてきたアーティスト・安部典子の新作個展が開催される。

 安部は1967年埼玉県生まれ、90年武蔵野美術大学油絵学科卒業。手作業でカットした数千枚の紙を重ね、1枚1枚の紙の高低差を生かして立体的な地層を生み出す「カッティングプロジェクト」など、手作業で紙を切ることによってかたちづくられる彫刻作品を制作。また、ビズレー社のスチール製キャビネットを解体し、その中に紙や本の要素を配置するなど様々な手法を取り入れた作品も手がけてきた。

 2011年にAICA—USA(国際美術評論家連盟全米支部)展覧会アワードにて受賞。13年の日産アートアワードファイナリスト。 近年の主な個展に「(Un)fltered Reflections」(ALoft at Hermes、シンガポール、2017)、「Satellite View」(Lora Reynolds Gallery、テキサス、2015)などがある。

 安部は本展を、自身のキャリアの起承転結のうえで「転」のステージの始まりと位置づけ、これまでの作品に見られる瞑想的かつ情動的な要素をいったん断ち切った異なるシステムのもとで、キャビネットを重要な要素とした新作を発表。

 キャビネットの構造やフレームとしてのソリッドな機能が、意識の流れや有機的なエネルギーのムーブメントを象徴するかのような紙の仕事と、新しいシステムのもとで共鳴し合い生まれた挑戦的な作品を提示する。