EXHIBITIONS

森田恒友展

自然と共に生きて行かう

2020.02.01 - 03.01, 2020.03.03 - 03.22

森田恒友 緑野 1926-27頃 埼玉県立近代美術館蔵

森田恒友 すき髪 1905 個人蔵(熊谷市立熊谷図書館寄託)

森田恒友 午睡する看護婦 1907 埼玉県立近代美術館蔵

森田恒友 プロヴァンス風景 1914 熊谷市立熊谷図書館蔵

日本風景版画 第二集 会津之部より森田恒友 若松城趾 1917 埼玉県立近代美術館蔵

森田恒友 雪国帖 1920 個人蔵

 森田恒友(1881〜1933)は埼玉県熊谷市に生まれ、明治末から昭和初期にかけて活躍した画家。はじめは洋画家として出発し、東京美術学校に入学して、先輩の青木繁から影響を受けたロマン主義的な作品を描いた。

 東京美術学校卒業後は『東京パック』などの雑誌や新聞に挿絵やマンガを描き、美術文芸雑誌『方寸』の創刊にも携った。その後、1914年に渡欧。ポール・セザンヌに深く傾倒し、その影響を強く受けた作品を制作した。しかし、翌年に帰国して国内各地を旅するうちに、水墨表現が日本の風景に適していることを見出し、後半生には、柔らかな筆使いで旅先や武蔵野の自然をとらえた日本画を発表するようになった。
 
「自然と共に生きて行かう」は、森田が生前に残した言葉。生涯を通じて洋画と日本画の両方を手がけ様々な作風を試みた森田は、自然や人々の暮らしを静かに見つめ、共感を込めて描く制作態度を一貫した。そうして最晩年には、自然に向き合ったときに感じる喜びや寂しさをすべて包み込むような、おおらかで澄み切った画境に達した。

 本展では、初公開を含む洋画と日本画の主要作品に、雑誌やスケッチブック、書簡、装幀本などの資料を加えた約250点を展示。初期から晩年にいたるまでの画業をたどり、その魅力を紹介する。