EXHIBITIONS

利休イノベーション―茶道具の変革―

湯木美術館
2020.01.07 - 02.16, 2020.02.19 - 03.22

長次郎作 黒茶碗 銘春朝 湯木美術館蔵

 千利休は、わび茶の大成者として広く知られ、古くから研究が重ねられてきた茶人。しかし、利休自身が茶の湯の思想について書いたと実証するものはなく、その実像はいまだ多くの謎が残されている。

 利休が生きた16世紀の安土桃山時代では、中国で焼かれた茶入や建盞などの唐物を中心とした茶の湯が、武家や富裕商人のあいだで流行していた。利休は珠光や禅の影響を受け、唐物主義から脱した茶の湯を行った。

 さらに利休は、楽茶碗や中節の茶杓など洗練された茶道具を生み出し、茶人達に大きなインパクトを与えた。利休の打ち出した新機軸は弟子や子孫たちに受け継がれ、楽焼や織部焼などでは独特な形状や文様が表されるなどの展開が見られた。

 本展では、利休が新たにつくり出した茶道具と、その影響を受けて後に発展した茶道具をあわせて約50点を展示。利休がそれまでの茶道具にどういった変革をもたらし、それから弟子や子孫たちによってどのような動きが生まれたかを紹介する。