EXHIBITIONS

山口聡一個展「The Paint of Mount Fuji 」

2020.01.10 - 01.27

山口聡一 Overlap of paint(Red Mount Fuji) 2019

 アートイベント「富士山展3.0『冨嶽二〇二〇景』」に関連し、ペインター・山口聡一による個展「The Paint of Mount Fuji」が開催されている。

 山口は1983年千葉県生まれ、2010年東京藝術大学大学院修了。藝大在学中の2006年「GEISAI#9」にて金賞とhiromiyoshii賞を受賞。08年には「モスクワビエンナーレ」に参加したほか、香港のアートフェアなど国内外の場で作品の発表を行う。

 視覚でとらえた物事が流動的に変化する錯視の体験をもとに、ポップなモチーフを2次元と3次元の間を行き来させる仕掛けと鮮やかな色彩で、鑑賞者の視覚意識に揺さぶりをかける山口。本展では、古来から多くの作家が主題としてきた富士山に、独自の感性を持って挑んだ新作を発表する。

 新作は、横山大観の《雲中富士》(1913年頃)や、葛飾北斎の富嶽三十六景に描かれた富士山の古典的なイメージを飛躍させ、違和感を呼び起こすパースペクティブと山口の独特な色彩感覚によってポップに描写。物理的に塗り重ねられた絵具そのものに着目し、既知のものを視覚と観念のフィルターを通すことで変容して見える、絵画そのものと構造について鑑賞者に示唆を与える。