EXHIBITIONS

没後90年記念 岸田劉生展

2020.01.08 - 03.01

岸田劉生 麗子微笑 1921 東京国立博物館蔵 Image:TNM Image Archives 重要文化財 展示期間=1月8日~2月16日

岸田劉生 黒き帽子の自画像 1914 個人蔵

岸田劉生 壺の上に林檎が載って在る 1916 東京国立近代美術館

岸田劉生 村嬢於松立像 1921 東京国立近代美術館蔵 展示期間=2月4日~3月1日

岸田劉生 二人麗子図(童女飾髪図) 1922 泉屋博古館分館蔵

 愛娘を描いた「麗子像」で知られ、静物画や風景画においても独創的な作品を残した画家・岸田劉生。ものの存在を見つめ、深い精神性を追求した劉生の美意識は、新しい美術を模索する若い作家を中心に、大正〜昭和期の洋画壇に強い影響を与えた。

 岸田は生涯で渡欧することなく、独学で水彩による風景画を制作。黒田清輝が主宰する白馬会葵橋洋画研究所で外光主義を知り、雑誌『白樺』で紹介されたゴッホらポスト印象派の画家たちに衝撃を受けた。

 しかし次第に、ポスト印象派の表現に違和感を覚えるようになり、独自の写実を探究。当初は西洋に傾倒していた岸田だが、東洋そして日本の美に目覚め、麗子の肖像画を注力して描くようになった。そして晩年には、初心に返ったかのような、光と色彩にあふれた風景画を描いた。

 没後90年を記念して開催する本展には、初期の水彩画から38歳で急逝する直前に描かれた風景画まで、珠玉の作品150余点が日本各地から集結。重要文化財の《麗子微笑》をはじめ、《麗子坐像》《童女舞姿》などの代表作を含む出品作を年代順に紹介し、劉生の画業の変遷をたどる。