EXHIBITIONS

藤井俊治展「半透明のドレープ translucent drape」

2020.01.15 - 02.14

藤井俊治 幽玄の肌 2019 作家蔵 撮影=塩谷啓悟

 第一生命は企業メセナ活動の一環として、現代美術の展覧会「VOCA展-現代美術の展望」の受賞作品の一部を所蔵し、第一生命ギャラリーで展示。今回は「VOCA展2018」でVOCA奨励賞を受賞した藤井俊治(ふじい・としはる)の個展を開催する。
 
 藤井は1983年滋賀県生まれ、2009年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。近年はティアラやシャンデリア、カメオ、蝋燭(ろうそく)などをモチーフに作品を制作。アルミ箔、雲母といった光を鈍く反射する素材や油彩・水彩・アクリルといった様々な技法を用い、艶やかで色彩豊かな画面のなかに膜のような薄い多層空間を生み出している。また、工芸的・装飾的でありながらも、複雑な奥行きを生み出す絵画も描いている。

 様々なモチーフや技法による薄膜にも近い表面について藤井は、「光と闇、盛衰、生死などの両義 的なイメージが渾然一体となり、現れては消える感じをつくりたい」と語っている。また、「平板な壁のような表面ではなく、カーテンのような波打った表面」にも興味があるという。

 本展では、18年のVOCA奨励賞作品以降、さらに広がりを見せる新作絵画やドローイングをあわせ21点を展示予定。