EXHIBITIONS

BREAK / BREAKER シュート彫刻のありか

武蔵野美術大学 鷹の台キャンパス 2号館 309・310教室
2019.11.25 - 12.07

吉田哲也 Untitled 1999頃 撮影=山本糾

北林加奈子 urn_001 2019 撮影=荻原楽太郎

タムラサトル 100kg Man 2004

牛膓達夫 1/4-2017 2017 撮影=加藤健

早田憲康 Marine 2019 Photo by Achim Kukulies

深井聡一郎 ネブカドネツァルの夢 2019 撮影=柳場大

藤原彩人 VASE -空を抱える像もしくは器 2018 撮影=佐藤元紀

冨井大裕 PP_WF1520 2015

保井智貴 まちにある家という彫刻_2 2018- Photo by Kohei Yamamoto

 作家や批評家、デザイナーらによって構成される、彫刻を問う集団・AGAIN-STによる展覧会が開催中だ。

 AGAIN-STは、彫刻表現をベースとする作家、彫刻を専門領域とする批評家、美術の現場に携わるデザイナーによって2012年に発足した同人。「彫刻はいまなお有効性を持っているのか」という問いを、作品、批評、流通のそれぞれの視座から考察し、展覧会シリーズやトークを通して、日本の彫刻が置かれている現状を見つめ直すことを働きかけてきた。

 展覧会第9回のテーマは「抽象彫刻を考えること」。本展には、北林加奈子、牛膓達夫、早田憲康、タムラサトル、吉田哲也、冨井大裕、深井聡一郎、藤原彩人、保井智貴の9名が参加する。

 展覧会タイトルにもある「シュート彫刻」は、プロレスの事前打ち合わせにない試合展開を指す「シュート」から言葉を取った造語。「シュート」は、相手が予想していない危険な技が繰り出されることも少なくなく、真剣勝負に臨むレスラーを賛美する言葉として使われる。

 AGAIN-STの考察の過程で生まれた「シュート彫刻」は、彫刻を成立させる「約束事=条件、慣習」を相対化することで、彫刻における抽象を考えたいという意図を込めたもの。本展は、作家たちが彫刻における「シュート」にいかに向き合っているかを呈する。

 最終日の12月7日18時から、参加作家とゲスト批評家の林卓行によるトークイベント「TALK LIVE」が開催される。