EXHIBITIONS

川俣正 ─「 工事中 」 再開

川俣正 ヒルサイドテラス ルーフトッププラン 2017

川俣正 ヒルサイドテラス ルーフトッププラン 2017

川俣正 ヒルサイドテラス ルーフトッププラン 2017

川俣正 ヒルサイドテラス ルーフトッププラン 2017

 美術と社会をテーマに各地で大規模な作品を発表し、展示プロセスを作品とみなすプロジェクトを行ってきた川俣正。

 1984年、川俣は代官山のヒルサイドテラスで木材を利用したインスタレーション、「工事中」を公開。しかし当時、屋外アート展は極めて珍しく、近隣の店舗などからの抗議を受けて1週間程度で撤去を余儀なくされた。

 川俣はその後、代官山で99年より隔年されていた若手屋外インスタレーションの公募展「代官山インスタレーション」展の審査員を務めるが、この展覧会は「場所性」とアートの関わり、あるいは街づくりとアートの広がりにおいて一定の役割を果たしたということで13年に終了。場所と関わるアートが一般化し、当たり前になってゆくなかで、公募展の審査をしながら川俣は「今の自分であったらこういうプランを考えるはずなのに」という思いを持ち続けたという。

 本展はまず、終わらざるを得なくなった代官山インスタレーションの「リベンジ展」をしようというところから始まり、かつての「工事中」展を掛け合わせることで、もう一度、都市、場所性、アートの掛け合わせ方を模索する展示として計画されている。

 屋内のギャラリー空間には84年の「工事中」展のマケットやドローイングなどとともに今回のインスタレーションにまつわる新たな作品を展示。30年を経て変わってきた都市とアートの関わりの現在進行形を見せる、新たな冒険の始まりともいえる展覧会になる。