EXHIBITIONS

和田真由子「建物」

2017.04.22 - 05.27

和田真由子 建物 展覧会イメージ 画像提供=児玉画廊

 和田は、「イメージにボディを与える」というコンセプトのもと、頭の中で和田が思い描いている「イメージ」を現実空間に可能な限りそのままの状態で具現化するという試みを多角的なアプローチから作品化してきた。

 今回の個展では「建物」という展覧会名を選び、英語訳としては「Built structures」という語が当てられている。「Archtecture」でも「Building」でもなく、建てられた構造、というその語感には和田の意図が透けて見える。建物が建っているという与えられた条件下にあるのではなく、「建てられたもの」であるとあえて言うことによって、想像上と画面上のいずれにおいても和田が建物を「組み立てる」行為者であることを示している。「イメージ」を「組み立てる」、あるいは「イメージにボディを与える」と呼称して虚像に実体を持たせる行為こそが絵画であるという、和田の意思がそこに見える。今回の個展では、平面上に「建物」を建てる作品、つまり建造物でありながら絵画でもある作品シリーズに限定した展覧会構成で、和田の「イメージ」における「建物」についての狭義が示される。