EXHIBITIONS

佐藤史治+原口寛子《talks》

佐藤史治+原口寛子 周りの人 2019 イメージ

佐藤史治+原口寛子 シェヘラザードへのビデオレター 2019 撮影=松尾宇人

 筑波大学総合造形領域出身の佐藤史治+原口寛子は、東京墨田区・向島を拠点に活動するアーティスト・ユニット。2011年にデュオを結成以来、即興的な対話や仕草によるパフォーマンスを通し、ユーモラスでサイトスペシフィックな映像作品やインスタレーションを展開し注目を集めている。
 
 関西での初個展となる本展では、以前に織物の作業場であった製作所の古い木造の長屋空間で、場所との対話を重ねながら制作された2作品を発表。2人が製作所に実際にあるものを素材とした映像インスタレーション《周りの人》と、製作所の本棚に並ぶ蔵書から選んだ複数のテキストをランダムに組み合わせ、一面に散りばめたテーブルクロスの作品《昼が白いテーブルクロスのように広がった》を展示する。

 そのほか、今年7月に向島にあるアーティストランスペース「あをば荘」のグループ展において発表した映像インスタレーション《シェヘラザードのビデオレター》を発展させた作品も公開。『千夜一夜物語』になぞらえ、眠りにつく直前のとりとめない話をメールで交換する2人の様子を、映像とテキストによって鑑賞者に覗き見させるような作品となる。

 なお会期末には、現代美術製作所恒例の、スナック形式のトークイベント「スナック現美」を開催。2人の持ち味である、軽妙な会話やパフォーマンスによる「おしゃべり」たちが、インスタレーションとなって空間を彩る。