EXHIBITIONS

ミュシャと日本、日本とオルリク

2019.11.02 - 12.15

アルフォンス・ミュシャ 羽根 1899 インテック蔵

エミール・オルリク 「ポトロフスキー手袋店」ポスター 1897 宇都宮美術館蔵

コロマン・モーザー 「ウィーン分離派第13回展」ポスター 1902 サントリーポスター コレクション(大阪中之島美術館寄託) ※後期展示

 ジャポニスムに湧くパリで、女優サラ・ベルナールを描いたポスターで一世を風靡し、アール・ヌーヴォーを代表する画家となったアルフォンス・ミュシャ。その評判は日本にも伝えられ、藤島武二など文芸美術誌『明星』や洋画団体「白馬会」周辺の画家たちに影響を与えた。

 いっぽうプラハに生まれ、ミュンヘンで絵を学んだエミール・オルリクは、同市を拠点にベルリンやウィーンでジャポニスムの潮流に触れ、1900年から翌年にかけて来日。浮世絵版画の彫りや摺りを学び、自ら多色摺の木版画を制作したほか、オルリクが持ち込んだ石版画は、画家による版画への取り組みという新しい意識を一部の日本人に呼び起こし、日本の創作版画の誕生に関わった。オルリクは帰国後、自作や日本で得た資料をプラハやウィーン、ベルリンなどで展示し、それぞれの地の芸術家に影響を与えた。

 本展では、チェコ出身の2人の作家に光を当て、グラフィックを舞台に展開された東西の交流に注目。ジャポニスムの影響を受けた同時代のチェコの美術や、ミュシャとオルリクの影響を受けた日本作家たち、さらにオルリクと交流のあったウィーンやボヘミア地方の作家たちを紹介する。