EXHIBITIONS

琳派展21

没後200年 中村芳中

2019.10.26 - 12.22

中村芳中 『光琳画譜』より《仔犬》 享和2(1802)年刊 個人蔵

中村芳中 「花卉図画帖」より《十月 白菊》  細見美術館蔵

中村芳中 白梅小禽図屛風 江戸後期 細見美術館蔵

 細見美術館で恒例となる「琳派展」の第21弾では、中村芳中(なかむら・ほうちゅう)の没後200年を記念した特集展示を開催する。

 中村は文政2(1819)年、江戸後期の京都に生まれ、大坂を中心に活躍した琳派の絵師。初期では大坂の文人たちと親しく交流し、文人画風の山水画を描いたほか、筆以外のものを使って描く指頭画(しとうが)の名手として知られる存在だった。また当時、自由な気風の画家として着目されていた尾形光琳に触発され、琳派が得意とした「たらし込み」を多用した草花図を描き、「光琳風」の画家として親しまれた。そのいっぽうで生涯にわたって俳諧を好み、江戸や大坂、尾張などの俳人たちと広く交友。自ら俳画や俳書の挿絵なども多く手がけた。

 本展では、近年そのゆったりとした表現が「かわいい」と評される芳中の作品の数々を展示。琳派風の草花を描いた屛風や扇面、人気の高い版本『光琳画譜』のほか、文人画風の山水画や指頭画、俳画や俳書の挿絵など、愛らしい芳中画の世界を紹介する。(※会期中、展示替えあり)